タイムスリップした若月達女性自衛官が長尾熊虎に出会ってから、
彼に仕えるまでの、長い長い1日がようやく終わりを告げた。

その翌日。
不動山の麓。

長尾軍は魚津城に再び椎名家の救援に向かうべく、軍を出した。
そのすがら、
若月達の強い希望もあり、一先ず、この山の麓に立ち寄り、陣を構えていたのであった。


从;・ェ・リ<・・・・・・・・。

从;・ェ・リ<本当に、あやつらを信頼しても、大丈夫なのですか?熊虎様。


人払いをした本陣。
若月達が不動山の・・・自分たちの駐屯地があったハズの場所に戻ってる間、
陣中では熊虎と宇佐美が、2人きりで会話を交わしていた。


从;・ェ・リ<本当に敵方の放った忍びではないのですか?

从;・ェ・リ<毘沙門天の化身など・・・眉唾な話だと思うのですが。

川*^∇^)<・・・・・・・。

川*^∇^)<解らぬ。本当にあの者たちが味方でいてくれるのか、私にも解らん。

川*^∇^)<毘沙門天の化身と言うのも、確かに眉唾だが・・・。

川*^∇^)つ<1つ言える事は、あやつらが『我々の理解を越えた存在』である事は、間違いない。

从;・ェ・リ<・・・・・・・・・それは。確かにそうです。

从;・ェ・リ<あの、面妖ないでたちや、あの恐ろしい火縄銃・・・。

川*^∇^)<そして・・・あの『上杉』と名乗るおなごは、私が書き記した詩と、全く同じ物を持っていた。

川;^∇^)つ<詩の内容は勿論、文字も、墨で汚れた部分も・・・まるで、鏡で映したように、何もかも同じだった。

川;^∇^)<あれは紛れもなく、私の字。私の書いた詩じゃ・・・。

从;・ェ・リ<・・・・・・・・・・。

川;^∇^)つ<長尾軍きっての知恵者であるお主でも、彼女らの存在が何者か、説明の付けようがなかろう?

从;・ェ・リ<恐れながら・・・・私なぞでは、理解しいえませぬ。

川;^∇^)<まさに、人知を超えた存在。限りなく『神』に近い存在なのは間違いなかろう。

从;・ェ・リ<・・・・・・・・・・。

从;・ェ・リ<『人知を超えた存在』・・・か。

从;・ェ・リつ<とは言え。あの者たちが本当に『神』である保証もありませぬ。『もののけ』の類かもしれぬ。

从;・ェ・リ<奴らが何者かはっきりせぬ間は、他の者たちには、奴らが『四天王』を名乗る存在である事は伏せておきましょう。

川*^∇^)<解っておる。他の者へは、私の『大切な客人』として伝えてある・・・。

从;・ェ・リ<全面的に信頼はしない方がよろしいかと・・・。

从;・ェ・リ<熊虎様も・・・あまりヤツらを信頼めされますな。

川;^∇^)<あぁ・・・・解ってるよ。宇佐美。


熊虎は神妙な顔を浮かべ、大きく頷いた。
人払いをした本陣。
陣中には木々が風でざわめく音だけが、聞こえていた。






第3章 〜富山城攻略戦〜





     


一方――。
当の話題になっている、若月達4人はと言うと・・・。





从*´∇`)=3<あぁああああ!!!

从*´∇`)∩<曹長、ありましたよ!!!!!

三州*´・ v ・)<え!!マジで!!?

ル*’ー’リ∩<えぇええ!!ナイス、河合!!!

川*´・_・`リ<ホントに!!?

不動山に登り、タイムスリップが発生したあたりを中心に、家捜しをしていた四人。
小一時間ほどの探索の末、河合の呼びかけで、他の三人が一斉に河合の元へと集まって来た。
三人が集まると、笑顔で「やったーー!!」と大はしゃぎする河合の目の前には、
弾薬の入った大きな箱が4つばかりと、食料の入った箱が3つばかり、草むらに放置されていた。


州;´・ v ・)<うっはぁ!!マジじゃないですかぁあああ!!!

从*´∇`)∩♪ <念のため、タイムスリップした辺りを家捜ししといて良かったですね!!曹長!!!

ル;’ー’リ<ホントだね!!自分達で身につけていた弾薬だけじゃ、全然足りなかったもんね。

川*´・_・`リ∩<凄い!!弾薬ちゃんも、一緒にタイムスリップしてたんだね!!!


そう・・・どうやら、タイムスリップしたのは若月達4人だけではなかった・・・。
弾薬の発見に、まるで隠し金山を発掘したかの如く、大喜びの四人。
もっとも、
この時代で89式小銃の弾薬を生産することは不可能。
確かに、金山を発掘するよりも、遥かに貴重な発見ではあるのだが。


ル;’ー’リ<これで、戦車もタイムスリップしてれば、無敵だったのになぁ〜。

从;´∇`)<まぁ、それは贅沢ってヤツでしょ?

州*´・ v ・)<予備の弾薬があるだけでも、かなりの戦力だよ。

ル*’ー’リ<それも、そうですね。

ル*’ー’リ<って!!あーーっ!レトルトの食料もあるじゃん!!

州*´・ v ・)∩<キャーーー!!!レトルトのカレーがある!!うれしぃ!!!

州´・ v ・)<これ、美味いんだよねぇ!!

ル*’ー’リつ□<ねぇねぇ!!今度、熊虎様にごちそうしよーよ!!!

从*´∇`)∩<いいね!絶対喜ぶよね、熊虎様!!!

州*´・ v ・)∩<気にくわないけど、あのちっさいおっさんにも、食わせてあげるか!!


陣中で「もののけかもしれない」と疑われてるなぞ、露知らず。
弾薬と食料の発見に、すっかり浮き足立ってる4人。
すると。
そんなお気楽な四人の元へ、一人の武者が、仏頂面で近寄って来たのであった・・・。

ノリ;・ 。・リ∩<ヲイ!!!もう、用事は済んだのか!!!

Σル;’ー’リ<あ!!はい!!!

ル;’ー’リ<えっと・・・・。

ノリ#・ 。・リ<村上義清だ!!覚えておけ!!!雑兵ども!!

从;´∇`)<あ、はぁ〜い。

川;´・_・`リ<さぁせ〜ん・・・・。

メイ´‘ w‘)∩<して。お主らが捜しておった物資は、これかね?

州;´・ v ・)<あ、はい。見つかりました!!!

メイ´‘ w‘)<意外と量があるな。

メイ´‘ w‘)つ<では、部下たちに春日山城へ運ばせておこう。

州;´・ v ・)<よろしくお願いします!!政景さま!!!

ノリ#・ 。・リつ<では、貴様ら、用が済んだならば、さっさと戻れ!!!

ノリ#・ 。・リ<戦の前に無駄な時間を費やしおって!!!

ル;’ー’リ<はーーい。すいませんでしたぁああああ。

『長尾熊虎の大切な客人』と言う、怪しすぎる女四人の集団に、
あからさまに不信感と敵意むき出しの、村上義清。
四人は「オッサン、めんどくせーーー」とゲンナリするのであったが・・・もっともこの時代は、男尊女卑の時代。
仕方ないと言えば、仕方がないのかもしれない。

川;´・_・`リ<それに、村上義清は、元々は長尾の家臣ではなく、つい最近まで北信濃の独立勢力だったからね。

川;´・_・`リ<葛尾城の城主にして、村上氏のご当主さまだったんだよね。

从;´∇`)<へーそうなんだ!!

川;´・_・`リ<確か・・・・。武田信玄に滅ぼされて、長尾に逃げ込んで来たはず。

ル;’ー’リ<なんだ、負け犬じゃん。

川;´・_・`リ<かつての一国一城の当主様が、こんな小娘の相手させられて、ムカついてるんじゃん?

从;´∇`)<そんな理由かよ!

从;´∇`)<ちっちぇ〜ヤローだな!!!

州;´・ v ・)<ってか、さすがに詳しいね、上杉。・・・歴史。

川*´・_・`リ<まぁ、上杉家の人間は、ちゃんと上杉に纏わる歴史は学んでおくように、代々言い伝えられてますからね。

川 ´・_・`リつ<ほら。N○Kの取材とか来たら、答えられないとヤバいじゃん。

ル*’ー’リ<確かに!!!城○町へ行こう!の取材が来て、ピエ○ル瀧より歴史知らなかったら、ダメだしね!!

从*´∇`)<ってか、すごい!!TVの取材とかくるんだ!!!上杉家!!!

川*´・_・`リ∩<フフフ。実は、『にっぽん歴○街道』の取材に、私が答えた事があるのだよ、バディ!!

州*´・ v ・)つ<すげぇえええ!!!それ、中○勘九郎のじゃん!!!

从*´∇`)<え?!それって、あまちゃんの作者!!?(※違います)

州´・ v ・)∩<今度、サイン貰っといてよ!!


こうして、
若月達四人が、ここが戦国時代である事をすっかり忘れて、
女子高生の昼休憩時間の様なノリで、芸能人(中○勘九郎)トークをしている頃・・・。
負け犬の村上義清と長尾政景は、若月達の荷物を兵士たちに運ばせ、山を降りていた。

メイ´‘ w‘)<なんなんだ?この荷物は・・・・。

ノリ;・ 。・リ<さっぱり解らん。怪しい物ばかり入っているな

ノリ;・ 。・リ<これは火縄の玉か?

メイ;´‘ w‘)<にしては・・・・・奇妙な形をしておるが。

初めて観る89式小銃の弾薬。
そして、もう1つの箱には、レトルトカレーやら非常食が盛りだくさん。
あまりにも理解しがたい物体に
2人は面妖な面持ちで、首をかしげるのであった。

ノリ;・ 。・リ<ヤツら、何者なのだ?熊虎様から、聞いてはおらぬのか?政景殿。

メイ´‘ w‘)<うむ。『大切な客人』と言っておったが・・・・。

メイ´‘ w‘)つ<だが。この奇妙な物資といい、火縄銃を扱う所を観ると・・・南蛮から来た人間ではないのか?

ノリ;・ 。・リ<しかし。顔立ちはちっとも、南蛮っぽくはないな。あやつら・・・。

顔立ちの派手なメンバーが1人でもいれば、南蛮人と思って貰えたのかもしれないが・・・。
よりによって死守は、地味顔4人が揃ってしまってるので、
これだけの『南蛮人フラグ』が立っているにも関わらず、南蛮人と思って貰えない若月駐屯地の4人なのであった。

ノリ;・ 。・リ<しかし、ヤツら、火縄銃を使うのか・・・。

ノリ;・ 。・リ∩<あんな卑怯な武器を使うとは、武士の風上にも置けん!!!

ノリ*・ 。・リつ<漢なら長槍じゃ!!!

メイ´‘ w‘)<そうですな。村上殿は長槍の名手で御座いますな。

ノリ;・ 。・リ<ワシは火縄が憎らしゅうて仕方がない!!

ノリ;・ 。・リつ<武田の連中も・・・我が国を攻める際、火縄を使って、次々に部下たちを殺しおった・・・。

ノリ#・ 。・リ<銃とは、なんと言う下劣な武器じゃ。

ノリ;・ 。・リ∩<卑怯なり!!武田晴信!!!

Σ メイ´‘ w‘)oO(・・・・・なに?!武田が火縄を?)

武田と言えば騎馬隊が知られている・・・。
特に、飯富虎昌らの「赤備え」などは有名だが、砲術を使う武将がいるとは、聞いた覚えがない。
火縄銃に対し激おこプンプン丸な村上の隣で、政景は思わず眉をひそめたのであった。
(ちなみに、この2人が並んで演技している所を想像すると、「子役オーラハンパねぇ」と思うのは、私だけではないであろう・・・)




    ×     ×     ×





こうして
不動山の家捜しを終えた若月達4人。
4人が不動山を下山し、本陣に戻ろうとすると・・・

「若月殿!!!!」

と、俄かに声がかかる。
振り向くとそこには、白馬に跨った熊虎が、不動山の入り口のあたりまで、
若月達を迎えに来てくれてたのであった。

州*´・ v ・)<熊虎様!!!

ル*’ー’リ=3 oO(ヤダ!!白馬の王子様の登場!!!!)

州*´・ v ・)oO(きゃーーー!馬に乗ってる姿、クソカッコイイ!!!!)

从*´∇`)oO(うわぁ・・・赤い装束に白馬とか!!マジイケメンだわ!!!)

熊虎の乗る馬は『放生月毛(ほうしょうつきげ)』と呼ばれる、月毛色(クリーム色)の名馬。
本来、月毛は淡い黄色がかった栗毛(お月様の様な色)なのだが、熊虎の愛馬は月毛の中でも限りなく白毛に近く、
その様はまさに、「THE 白馬の王子様」なのであった。

川*´・_・`リ<わざわざ迎えに来て下さったのですか?

川*^∇^)∩<政景殿が戻って来たので、みなさまも、そろそろお戻りと思いましてな。

川*^∇^)つ<目当ての物は見つかりましたか?

州*´・ v ・)<はい!!ホント、お待たせしてすみません。

川*^∇^)∩<なに。構わぬ。それがあなた方の戦力になるのであれば、我々にとっても多大な戦力となろう・・・。

川*^∇^)<・・・・・・・ところで。

そう言うと。
熊虎は、跨っていた放生月毛から、トンと地面へと降りる。
そして、熊虎が「これへ!!」と叫ぶと、兵士たちが何やら、4匹の馬を連れて来たのであった。

ル*’ー’リ<わっ!馬だ。

从*´∇`)<かわいい〜。

もの珍しそうに馬を見入る河合と小宮。
4匹とも非常に毛並みが良く、実に見事な馬であった。
熊虎は馬の頭を優しく撫で、そして、4人にこう告げた。

川*^∇^)<ご存知の通り、我々はこれから、椎名家を救うべく、魚津城に向かう事となる。

州´・ v ・)<はい。そうおっしゃってましたね、熊虎様。

川*^∇^)つ<その際、かなりの距離を移動することとなる。

川*^∇^)∩<それ故、馬がなくては不便であろうと思うてな。そなたたちに差し上げようと、馬をお連れしました。



Σ从;´∇`) Σル;’ー’リ<いぇ?!う、馬ですか!!?



从;´∇`) oO(うわぁ〜〜〜。気持ちは嬉しいけど、無理〜〜)

ル;’ー’リ oO(乗れる乗れない以前に、馬とか大きい動物。苦手〜〜)


そう。確かに、この時代には車も自転車もない。
糸魚川から魚津まで徒歩で行くとなると、新潟駅から新潟テルサまでの徒歩の距離とは、比べ物にならない程の長距離だ。
この距離を歩け!!と言われても、自衛隊で鍛えてるとは言え、現代人にはしょーじきしんどい。

とはいえ・・・。

一般庶民の自衛官である自分らは、馬など当然乗った事もなく、
プレゼントされたところで、どうすることも出来ないのが現状。
「お、お気持ちは嬉しいのですが・・・」
と、断ろうとした、小宮であったが・・・・・・・・しかし、このオンナたちは違った!!!!

州*´・ v ・)<わーー。ありがとうございます!!

川*´・_・`リ<素晴らしい馬ですね〜。

そう言って。
目の前には、「どうどう」と馬を宥めながら、しれっと馬に跨っている、若月と上杉の姿。
小宮と河合は、思わず、声を裏返らせるのであった。

ル;’ー’リ<えぇええ?!何、乗れてるの!?曹長と上杉!!

从;´∇`)<は?なんで??!フツー乗れないでしょ!!!

そんな2人のもっともすぎる疑問。
だが、上杉は至極冷静に、2人の疑問に答えるのであった。

川 ´・_・`リ<あ、いや。上杉家は代々、乗馬を嗜むように教育されてるから。

川 ´・_・`リつ<上杉家はみんな乗れます。

ル;’ー’リ<マ、マヂか・・・。

从;´∇`)<恐るべし、上杉家・・・・。

『にっぽん歴○街道』も取材に来る上、一族全員、乗馬まで嗜んでいらっしゃるとは。
上杉家の英才教育っぷりに、今更ながら「オレら、上杉家の生まれじゃなくて良かった・・・」と思う、小宮と河合。
歴史の勉強はさせられるわ、乗馬は嗜まされるわ・・・恐ろしい。

だが・・・。

まぁ、上杉家の末裔が乗馬を嗜んでるのは解るとして・・・。
何故、若月まで乗れるのか?

ル;’ー’リ<えっと。曹長はなんで、馬に乗れるんですか?

从;´∇`)<曹長は別に、なんかの末裔じゃないですよね?

州´・ v ・)<末裔じゃないよ〜。ただの、いちゴルファーの娘だよぉ〜。

ル;’ー’リ<だったらなんで・・・。

不思議そうに問いかける小宮と河合。
すると、
そんな若月から帰ってきた答えは、たった一言であった・・・。

州´・ v ・)<なんでって・・・。

州´・ v ・)<・・・・・・・・・そりゃ。

州*´・ v ・)∩<(カメラ目線で)・・・・・金持ちだからさ!!!!




ル;’ー’リ 从;´∇`) イラァ!! oO(ゴルファーの娘がぁあああああああああああ!!)




若月曹長を尊敬する小宮にまで、
一瞬で殺意を抱かせた、若月の言葉。
だが、ある意味一瞬で、「ですよね・・・」と納得させる、圧倒的な説得力を持っていた。

正月には家族で、獅子舞のサービスがある天ぷらや(きっと、てんやじゃない)に赴くような、ブルジョワ一家。
中学生の頃には、家庭科の実習で、おにぎりにステーキをブッ込む『ステーキおにぎり』なるモノを作ったとも言っていた(しかも、神戸なビーフ)。
そんな若月ともなりゃ、幼少時代から、乗馬の習い事をしていても、もはや1ミリの疑問もないのであった。

ル;’ー’リ<ま、まさか2人が乗馬できるとは・・・・。

从;´∇`)つ<まぁ、うちら、一般庶民だからな。しゃーないよな。

ル;’ー’リ<一般人。慎ましやかに生きて行こうね、河合・・・・。

上杉家の末裔と、ゴルファーの娘に比べ・・・。
今更ながらに、「うちらって庶民〜」と凹まされる小宮と河合。
こうして、
馬にも乗れず、ブルジョワにも勝てる気がせず、呆然と2人が立ち尽くしていると・・・。

川*^∇^)<お二人は乗馬をしたことは御座らぬのか?

ル;’ー’リ<あ、熊虎様・・・。

ル;’ー’リ<は、はい・・・すいません。折角のご厚意なのに・・・。

从;´∇`)<生まれてこの方、馬なんて一度も。

川*^∇^)<そうでしたか・・・。

州*´・ v ・)つ<あ、この2人は地べたを歩いていくので、大丈夫ですよ。

州´・ v ・)<な!!小宮、河合!!

ル;’ー’リ イラァ…<そーーですね!!

从;´∇`) イラァ…<蟻んこの様に、地面はいつくばって行きますよ!!

ブルジョワの上から言葉にイライラしつつも、
とりあえず若月の言うとおり、地べたを歩く選択肢をするしかない、小宮と河合。
すると・・・・・!!!!

川;^∇^)<だが、四天王の化身である、あなた方を歩かせるなど・・・。

川*^∇^)∩<!!! では、解り申した!!

そう言って何かひらめいたらしく、パチンと手を叩く熊虎。
すると、熊虎がニコニコ笑顔でゆっくりと小宮の元へ近づいてきた。
小宮がキョトンとした表情で熊虎を観ていると、不意に、体が宙に浮きあがり・・・。


ル*;’ー’リ <!!!!!?

州l|l´・ v ・)<!!!

从l|l´∇`)<!!?


気が付くと小宮は、
熊虎にお姫様抱っこの形で抱きかかえられていた。


ル*;’ー’リ oO(な、何が起きてるの?このパラダイスは・・・?)

州l|l´・ v ・)oO(なんの悪夢?これは!!!)


茫然と立ち尽くす若月達と、夢見心地の小宮。
だが、次の瞬間。
熊虎は自分の愛馬「放生月毛」の上に、小宮をよいしょと乗せてあげたのだった。
何故か、熊虎の愛馬の上にちょこんと跨っている状態の小宮。小宮が不思議そうにキョトンとしていると・・・。


川*^∇^)つ<ちと狭くて申し訳ないが、

川*^∇^)<私が、魚津城に行くまでの間・・・小宮殿を一緒にお乗せしましょう。

ル*’ー’リ<え?!それって、あ、あ、あ、相乗り!!!

川*^∇^)つ<ついでに、私が、乗馬もお教えいたします。




州l|l´・ v ・)从l|l´∇`)oO(ナンダッテェエエエ!?)




ル*’ー’リ oO(相乗り・・・いや、むしろ、これは・・・・愛乗り!!!)

ル*’ー’リ∩<あ、ありがとうございます!!熊虎様!!!!


勝ち組や!!!私は間違いなく勝ち組や!!!
家柄とか、スポーツ選手の娘とか、そんなの関係ねぇ!!!そんなの関係ねぇ!!
小宮は確信していた。
今この場所にいる4人の中で、紛れもなく、自分が一番の勝ち組であることを!!!!
小宮は今、生まれて初めて、自分ちが中の下ぐらいの家庭で良かった・・・と思っていたのであった。


一方――。


州l|l´・ v ・) ガーン

州l|l´; v ;)oO(な、何故。何故私は、馬になんて、乗れてしまったのだぁああああ!!)


あまりにも予想外の展開に、
納得出来ぬまま、茫然と1人、馬の上でうなだれる若月。
そして・・・。


从l|l´∇`) ガーン

从l|l´∇`)oO(私も馬に乗れないのに・・・・何故、私は選ばれなかったんだ・・・)


若月以上に、もっとずっと納得の行ってない河合。
単に熊虎は、自分に近い位置にいて、かつ、小さくて持ち上げやすそうな小宮を選んだだけなのであったが・・・。
ショックのあまり、冷静な判断を見失っている、若月と河合。
すると、そんな河合に・・・


川 ´・_・`リつ チョイチョイ <ねぇねぇ、河合。

从l|l´∇`)<?

川 ´・_・`リつ<一緒に乗る?

川 ´・_・`リ<私が魚津城に行くまで、乗馬、教えてあげるよ。

从*;´∇`)つoO(・・・・・・・・お、王子様!!!)


つい先日まで、
散々「ヅラ杉」扱いしてきた、河合であったが。
熊虎に選ばれず傷心している所に、優しい言葉をかけてくれた上杉。
もはや、ヅラ杉すらも、河合にとっては白馬の王子様に見えるのであった・・・。

こうして。
弾薬と食料も手に入れ、馬も手に入れた、4人の女性自衛官。
いざ向かうは、一路、魚津城であった・・・。


(つづけ)













川*^∇^)∩<くまとらと行く、歴史街道旅!!C

※このコーナーは、このシリーズの中で出てくる場所の解説や美味しい食べ物。
  ストーリーに纏わる歴史を、熊虎様がしったかしてくれる、ナルチカのアレっぽいコーナーです。


川*^∇^)つ<さて、ようやく春日山城から動いた一向。

川*^∇^)∩<次の目的地は、魚津城です。

川*^∇^)つ<場所はこちらでーす。






川*^∇^)<現在は小学校(魚津市立大町小学校)になってるみたいで・・・。

川*^∇^)<校庭に石碑が立ってるだけみたいです。

ル*’ー’リ<ここは富山県なんですね〜熊虎様。

川*^∇^)∩<そう!!だから、馬に乗ってないと、さすがに遠いよね。

ル*’ー’リ oO(魚津まで、熊虎様と相乗り〜〜〜キュフフ)

从*´∇`)<ところで、魚津はなんか、名産品とかあるんですか?

川*^∇^)<まぁ、漁港があるからお魚も美味しいと思うよ。

川*^∇^)∩<なんせ、「魚津」って名前だもん!!お魚美味しいよ!!!

川 ´・_・`リ<あとは、蜃気楼が有名ですね。魚津は。

川*^∇^)<??蜃気楼?

州´・ v ・)<蜃気楼とは、温度差によって光の屈折が起き・・・

州´・ v ・)∩<風景が逆さまに観えたり、風景が実際の大きさよりも、間延びした状態で観えたりする現象です。

州´・ v ・)<富山湾に現れるそうです。

川*^∇^)<へえええええ!!そうなんだ!!!!

川*^∇^)∩<凄いね!!!観たい観たい観たい!!!!

川 ´・_・`リ<魚津城へ行ったら、きっと観れますよ、熊虎様。

川*^∇^)<そうじゃな!!!

川*^∇^)つ<よし、さっさと椎名を救出に向かおう!!!おぉおおお!!!!

ル*’ー’リ oO(カワイイなぁ〜熊虎様・・・)

从*´∇`)oO(もはや、解説するポジションを、上杉に乗っ取られてて、カワイイなぁ〜)

ル*’ー’リ<では、熊虎様が蜃気楼観たくて張り切ってるので、今日はここまで!!

州´・ v ・)つ<以上、熊虎と行く歴史街道旅でした。




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