蝋燭の炎揺らめく毘沙門堂。
宇佐美が牢屋へ向かっている間、熊虎は1人静かに、座を組んでいた。
正面には蝋燭の薄明かりに照らされた、毘沙門天の像。
熊虎はふと、右手に持っていた、朱色の守札を見つめた。
謎の4人組のうち、1人が持っていた、守札。
そこには「林泉寺」と書かれていた。

川*^∇^)つ□<林泉寺か・・・・懐かしいな。

川*^∇^)<なんであの者は、林泉寺の守札を持っていたのだろう?

川;^∇^)<そして・・・あの文書・・・。

川;^∇^)<何者なのだろうか・・・あの小娘は。

熊虎は訝しげに、今一度、右手に持っていた守札を見つめた。
林泉寺。懐かしい名。
上越にあるこの寺は、長尾家の菩提寺であり、また、熊虎はこの寺を誰よりも良く知っていた。
なぜならば・・・熊虎は幼少時代、7年ほど、この寺に預けられていた事があったからだ。






 
    


天文5年・・・・1536年。
当時、越後守護代であった長尾為景(ためかげ)は、老齢のため隠居し、長尾家の家督を長男の晴景(はるかげ)へと譲った。
一方、まだ当時7歳だった熊虎(当時の幼名は熊千代)は、父・為景の意向で、林泉寺に預けられた。
もっとも・・・預けられたと言えば聞こえはいいが・・・父親に疎まれていた熊虎は、長尾の家督を継がせないために仏門に入れられたというべきかもしれない。

その頃、兄・晴景は27歳。一方の熊千代は7歳だった。
そう。熊千代は極端に年の離れた弟であり、父・為景にとっても、老齢になってから予期せず出来た子供であった。
その為、父・為景は熊千代が実の子であるかを怪しんでおり(妻の不貞の子ではないかと疑っていた)、熊千代を疎んでいた為景は、
長尾の家督から遠ざけるため、熊千代を林泉寺へと入門させたのであった。

こうして無理矢理に寺に入れられた熊千代だったが、母(後の青岩院)が信心深い女性であった影響もあり、熊千代自身も信仰に興味を持っていた。
また、住職の天室光育から学ぶ、教養や兵学にも深い興味を示した。
それゆえ、強制ではあったものの、寺の生活はそう熊千代にとって、居心地の悪いものではなかった。

だが、その一方で・・・。
当時の越後は内乱も激しく、長尾家の情勢は決して安定したものではなかった。
にも関わらず、熊千代は寺に預けられたまま、長尾家の情勢からは蚊帳の外の扱い。決して、春日山城に招かれることはなかった。
林泉寺の境内から、毎日、春日山城を見上げながら・・・
7歳から14歳までの7年間。熊千代は父親と長尾家から捨てられた寂しさを感じ続けていた・・・・。




しかし、そんな熊千代に転機が訪れた――。




天文11年(1542年)12月。
隠居していた父・為景が病没したのであった。
長い間、春日山城から遠ざけられていた熊千代であったが、
皮肉にも、自分を疎んでいた父・為景の葬儀の折に・・・・熊千代は約7年ぶりに春日山城へ足を踏み入れる事が出来たのだった。


そして、熊千代は驚いた・・・。


内乱による敵対勢力の侵攻により、
父の葬儀すら、みな、武装し帯刀した状態で執り行う程、越後はひどい情勢と化していたのであった。
為景の跡を継いだ、晴景であったが・・・病弱で気弱な彼は、越後の内乱を沈静化することが出来ず、
熊千代が林泉寺に預けられていた7年の間に、越後は乱れに乱れていたのであった・・・。


川;^∇^)<なんて事だ。

川;^∇^)<父の葬儀まで、武装して執り行わなければならない程だなんて・・・・。

すると、
茫然と立ち尽くす熊千代の元へ、1人の見知らぬ武将が近寄ってきた。

从 ・ェ・リ<熊千代さま・・・。

川*^∇^)<・・・・?

川*^∇^)<お主は・・・誰だ?

从*・ェ・リ<私は為景さまの代からお仕えしております、宇佐美と申します。

川*^∇^)<宇佐美・・・!おぉお!!聞いたことがある!!

川*^∇^)つ<かつて上杉定実様にお仕えしていた名将だな。お目にかかれて光栄じゃ!!

从*・ェ・リ<そんな、名将などとは・・・滅相もございませぬ。

从*・ェ・リ<私こそ、熊千代さまにお目にかかれて光栄の至り。

从 ・ェ・リつ<ところで、熊千代さま。・・・7年ぶりに城に戻られ。この春日山城の情勢、どう思われますか?

川;^∇^)<うむ。予想以上に酷い有り様じゃな。まさか、葬儀まで、武装せねばならぬとは・・・。

川;^∇^)<反乱分子は何者じゃ?

从;・ェ・リつ<中条藤資が反旗を翻しております。

川;^∇^)<揚北衆か・・・。

川;^∇^)つ<父も揚北衆は敵に回さず、上手く、味方に引き入れていた。

川;^∇^)∩<国人は上手く味方に取り入れねば、とても、国は治められぬ・・・。

从 ・ェ・リ<えぇ。まさに、熊千代さまのおっしゃる通りでございます。

从 ・ェ・リ<越後の国人を味方につけぬ限り、内乱は解消されませぬ・・・。

从;・ェ・リ oO(・・・ふむ。7歳から寺に預けられ・・・齢14歳にして・・・・ちゃんと国政を理解しておるとは)

从;・ェ・リ oO(思ってた以上の器かもしれぬな。この少年は・・・)

从*・ェ・リ oO(それに風格もある。・・・・惚れ惚れするほど美丈夫!!)

从;・ェ・リ oO(病弱で気弱な晴景殿では、国人をまとめる事は出来ぬ。だが、熊千代さまであれば・・・もしや・・・・)

こうして・・・。
武装した状態での物々しい葬儀は、恙無く終わった。
熊千代は父の葬儀を終えると、春日山城を離れ、再び林泉寺へと戻って行った。
だが、7年ぶりに春日山城を訪れた熊千代であったが、
彼が再び、春日山城を訪れることになるのは、次はわずか半年後であった・・・。






    ×       ×        ×






天文12年(1543年)8月
春日山城。
熊千代は兄・晴景の命により、春日山城を訪れていた。
主殿では病弱な晴景が布団から上半身だけを起こしており、布団のかかった膝の上には、将棋の盤が置かれていた。

ノソ*^ o゚)<おぉ・・・来たか・・・熊千代。

川*^∇^)<兄上!父の葬儀以来ですね。

川;^∇^)つ<お体は大丈夫ですか?

ノソ;^ o゚)<今日は些か体調が思わしくなくてな。呼び出しておきながら、こんな格好で申し訳ない。

川*^∇^)∩<気にしないで下さい。兄弟ですから、遠慮などいりません。

ノソ;^ o゚)<・・・・・・・・・・そうだな。

そう言うと、
晴景は無言のまま、盤上の棋譜を見つめた。
熊千代はにこやかな表情で無邪気に、その棋譜を覗き込んだ。

川*^∇^)<これは・・・・・・難しい棋譜ですね・・・。

川*^∇^)<兄上は将棋がお好きなのですか?

ノソ*^ o゚)<ん?あぁ・・・・まぁな。布団の上で出来ることは、限られてるしな。

ノソ*^ o゚)<体調が悪い日は、こうして詰将棋をしてる事が多い。

ノソ*^ o゚)<それに、小さいころから父に付き合わされていたからな。将棋は・・・。

川;^∇^)<・・・・・・・父に・・・・。

父に疎まれ、父親との思い出がない熊千代は一瞬しゅんとした顔を見せる。
晴景はそんな熊千代に気づいたのか、「すまない・・・」と呟く。
熊千代は「あ、いえ。こちらこそ、申し訳ありません」と、兄に気を遣わせてしまった事を詫びた。

川;^∇^)<私はどうも、すぐに、顔に出てしまう様で・・・。

川*^∇^)つ<住職様からも、いつも、怒られてしまいます。

川*^∇^)∩<感情を抑えることが出来なければ、到底、坊主にはなれませんよーー!!・・・・って。

ノソ*^ o゚)<・・・はは、そうか。

ノソ*^ o゚)<・・・・・・。

ノソ;^ o゚)<ところで、寺の生活はどうだ?楽しいか?熊千代。

川*^∇^)<寺の生活ですか?

川*^∇^)つ<そうですね。仏門の暮らしも嫌いではないのですが・・・修行よりもやっぱり、兵学の方が好きですね。

川*^∇^)∩<座禅組んで心を無にしてるヒマがあったら、攻城戦の勉強をしてる方が楽しいです。

川*^∇^)つ<凄いんです!お寺にこんぐらいの城の模型があって・・・それで攻城戦の練習が出来るのです!!

ノソ*^ o゚)<ははは・・・熊千代らしいな。

熊千代の言葉を聞き、晴景は小さく笑い声をたてた。
そして、眺めていた詰将棋の棋譜から桂馬を動かし、妙手を打つ。
熊千代は興味津々の様子で、晴景の打つ将棋盤を眺めていた。

ノソ;^ o゚)<・・・・・・。

ノソ;^ o゚)<熊千代・・・・。

川*^∇^)<はい?

ノソ;^ o゚)<・・・・・・・・春日山城に戻ってこい。

Σ川;^∇^)<え?!

川;^∇^)<私が・・・・春日山城に?

ノソ;^ o゚)<あぁ・・・。お前を疎んでいた父は、もういない。

ノソ;^ o゚)∩<還俗して元服を済ませるんだ。

ノソ;^ o゚)つ<そしてお前にも・・・長尾家の人間として、反乱軍と戦ってもらいたい。

川*^∇^)<ま、まことですか!!!!

川*^∇^)つ<長尾家に戻っていいのですか!!ありがとうございます!兄上!!!

仏門に入っていた者を還俗させる。
例えば後継者などが亡くなった時に、そうする事は多かったが・・・当主である兄が、後継者争いの火種になりかねない弟を呼び戻す。
熊千代はまさか、兄に呼び戻して貰えるなど思ってもいなかったため、大変喜んだ。
越後長尾家の危機に、俗世から離れた場所でただ見ているしかなかった熊千代は、子供ながらに己を不甲斐なく思っていたのだ。
また、家族(父)に捨てられたと言う負い目があった為・・・・・家族(兄)に手を差し伸べて貰えたことが、素直に嬉しかった。
熊千代は兄・晴景の手を取り、ギュッと握りしめた。

川*^∇^)つ<必ずや・・・兄上の為に、長尾家の為に、力を尽くします!!!

ノソ;^ o゚)つ<・・・・・・・・・・・。

ノソ;^ o゚)つ<あぁ・・・。期待してるよ、熊千代。

その後・・・。
熊千代は元服し、名を熊虎と改めた。
そして、晴景の命で栃尾城へと入り、内紛を起こした下郡(しもごおり)の揚北衆を制圧し、
その後、数々の内紛を制圧することで、武功を挙げて行った。

やがて。

越後の国人たちは、勝利に勝利を重ねて行く熊虎に、一目を置くようになり、
越後の守護代を、病弱な晴景から、熊虎に移そうとする家臣や国人達が爆発的に増えるのであった。
こうして長尾晴景は、
熊虎を還俗させる事で、結果的に、自らの守護代の地位を弟に奪われる事となるのであった・・・。











    ×       ×     ×









春日山城、毘沙門堂。
熊虎が林泉寺の守札を眺めながら、幼少時代の思い出に耽っていると、
堂の外からコツコツと足音が響いてきた。

川*^∇^)<・・・・・来たか。

从*・ェ・リ<熊虎様!!例の小娘をお連れしました!!!

現われたのは、
迷彩服を身にまとい、荒縄で後ろ手に縛られた上杉であった。
宇佐美は上杉を連れてくると、用命どおり、ペコリと熊虎に一礼し、毘沙門堂を後にした。
薄暗い毘沙門堂には、熊虎と上杉の2人だけ。
両手を後ろ手に縛られたまま床に膝をついている上杉は、不安そうな表情で、熊虎を見つめていた。

川*^∇^)<・・・・・・・・・そう、びくびくするな。

川*^∇^)つ<別に、お主を取って食おうってワケではない。

川;´・_・`リ<一体、何の用ですか?

川;´・_・`リ<何故・・・私だけ、呼ばれたんですか?

川*^∇^)<・・・・・・・・・聴きたい事があってな。

そう言うと、
熊虎は右手に持っていた、「林泉寺」とかかれた御札を上杉に見せた。
上杉は怪訝そうに顔を顰める。

川*^∇^)つ□<これはお主のか?

川;´・_・`リ<あ、はい。私がいつも持ち歩いてる御札ですけど・・・。

川;´・_・`リ<それが何か?

川*^∇^)<そうか・・・・では・・・単刀直入に聞く・・・。

そう言うと、
熊虎は御札の中にしまわれていた、一枚の紙を取り出した。
それを観て、上杉は「あ・・・・」と小さく声を上げた。
熊虎はその紙を上杉の目の前の床に広げると、彼女の顔を覗き込み、こう尋ねたのであった。

川;^∇^)つ□<・・・・・・お主は一体・・・・・何者だ?

川;´・_・`リ<な、何者って・・・・。

川;´・_・`リ<だから!!さっきから言ってるでしょ!!自衛隊二等陸士の上杉です!!!

川;´・_・`リ<ってゆーか。あんたたちこそ、一体、何者なんですか!?

川;´・_・`リ<私たちを拉致って・・・一体何が目的なんですか?

川;´・_・`リ<あなた達こそ、いい加減、名乗ったらどうなんですか!!

自分達を拉致った、謎の軍団。
まるで時代劇の様な格好をして、刀まで所持している。
4人は牢獄につかまっている間、「こいつらなんなの?」「もしかして、どっきりじゃね?」と話していたのだが、
自衛隊相手にどっきりとは、いくらなんでも・・・・やらないハズ。
自衛隊に恨みがある連武装集団など、もしかしたら、左巻きの連中じゃないか・・・と言う4人の結論に達していた。

だが・・・。

「名乗れ!!」と啖呵を切った上杉に対し、
彼が名乗った名前は、誰もが予想しいえぬ名前であった。。

川;^∇^)<・・・・・・・・・・。

川;^∇^)<私の名は、長尾平三熊虎・・・。

川;´・_・`リ<長尾平三・・・。

川 ´・_・`リ<くまと・・・・・・・・・・・。

川 ´・_・`リ<・・・・・・・・・・・。

川;´・_・`リ<長尾熊虎!!!

「名乗れ!!」と大啖呵を切ってみたものの・・・。
あんまりにあんまりな名乗りに、上杉は思わず声を裏返した。
驚きのあまり、声が上ずり出す。

川;´・_・`リ<な、長尾・・・・く、熊虎・・・?

川;´・_・`リ<えっと・・・・え?・・・あ・・・・。

川;^∇^)つ<私の名は名乗った。今度はこちらの質問に答えて貰う番だな。

そう言うと、
熊虎は自分の着物の懐から、1枚の紙切れを取り出した。
和紙に達筆で綺麗に、何やら文章の様なものが綴られている紙・・・。
熊虎は、上杉のお守りの中に入っていた紙の隣に、自分が懐に入れていた紙を並べて置いたのだった。

川;^∇^)<お主に問いたい。

川;^∇^)つ□<これは一体・・・・・・どういうことなんだ?

川;´・_・`リ<は?どう言う事って?なに・・・・・が・・・・・

川;´・_・`リ<・・・・・・・・。



Σ 川;´・_・`リ<!!!?



目の前に並べられた2枚の紙。
それを観た瞬間、上杉は愕然とした表情で目を丸くした。
上杉が御守りに入れていた紙には、



運は天にあり、鎧は胸にあり、手柄は足にあり
何時も敵を我が掌中に入れて合戦すべし
死なんと戦えば生き、生きんと戦えば必ず死するものなり
運は一定にあらず、時の次第と思うは間違いなり
武士なれば、我すすむべき道はこれ他なしと
自らに運を定めるべし





と、綺麗に達筆で綴られた文章が書かれていた。
これは実は。上杉謙信の末裔である、上杉の実家に代々伝わる、謙信が直筆で書いたと言われるお宝の書であった。
軍神・上杉謙信が、大切な戦の時には、必ず懐に忍ばせていたと言う・・・上杉家代々に伝わる家宝。
これは軍神のご加護なのか解らないが、例えば受験の時とか、大切な試合の時とか・・・。
これを御守りに入れ、身に着けておくと、合格したり、勝利したりすると言われ、ここぞと言う時に、上杉家の人間は、この御守りを大切に身に着けていた。
上杉も、今回の大規模演習にあたり、お守りに入れ、しっかりと身につけていた。


の、だが・・・・。



そんな上杉のお守りに入っていた、謙信公直筆の書。
だが、あろうことか・・・・
熊虎が隣に並べた紙にも、全く同じ文章が書いてあったのだ!!

いや、文章だけではない。

文字の形も、配置も、字の掠れ具合も・・・・そして、墨が飛んで汚れてしまった跡すらも、
なにもかもが、まるでコピーしたかの様に・・・・一緒だったのであった。

Σ川;´・_・`リ<な・・・・・!!!

川;´・_・`リ<こ、これは?!

川;^∇^)<これは、私が戦に際して、心構えを決して忘れぬよう・・・

川;^∇^)つ□<自ら綴って、常に懐の中に入れてるものだ。

川;´・_・`リ<み、自らつづって・・・?

川;^∇^)<私がおのれの心構えを忘れぬために、自ら書いたもの。

川;^∇^)つ<なのに・・・・何故・・・・お主も同じ文書を持っているのだ?!!

川;^∇^)<いや。奇妙な事に、文章だけではない!!!

川;^∇^)つ□<字の形も、配置も、字の掠れ具合も・・・・そして、墨が飛んで汚れてしまった跡すらも、何もかもが一緒じゃ!!!

川;^∇^)<まるで、鏡に映したかのように・・・・。

川;´・_・`リ<・・・・・・・・・・・・。

川;^∇^)<答えよ!!一体、お主は何者なんじゃ?!

川;^∇^)つ<何故、お前が私が書いた物と、全く同じ物を持っているのじゃ!!

川;´・_・`リ<え・・・・えっと・・・・。

上杉は冷静になるべく、目を閉じた。
そして、大きく深呼吸をし、混乱する頭の中、状況を冷静に分析していった。

川;´・_・`リ oO(私の持っているのは、謙信公直筆の書)

川;´・_・`リ oO(そして、この男が持つ書は、この男が綴ったと言う、直筆の書)

川;´・_・`リ oO(2つは、まるで鏡に映したかのように、まったく同じ内容)

川;´・_・`リ oO(文字も配置もかすれ具合も・・・そして、墨が跳んで、汚れた場所まで一緒)

川;´・_・`リ oO(だが、内容は何もかも一緒だが・・・)

川;´・_・`リ oO(私の方は400年の歳月で、茶色く焼けてしまってるのに対し、この男のは最近書いたかの様に、紙も綺麗だ・・・)

川;´・_・`リ oO(そして。この男はさっき、こういった。)

川;´・_・`リ oO(私の名は『長尾平三熊虎』・・・・と)

川;´・_・`リ<・・・・・・・・・・・・・・・。

上杉は放心状態のまま、ゆっくりと顔を上げた。
目の前では『長尾熊虎』を名乗る男が、まっすぐな目で、自分を見つめていた。

整った顔立ちと、切れ長な目。

上杉はじっと、熊虎の目を見つめた。
理解出来ない。
理解なんて出来るはずもない・・・・・・・が・・・・。



川;´・_・`リ<わ・・・私は・・・・。


上杉はゆっくりと口を開いた。
理解なんて一生出来そうもない。
だけど、きっと、それでも・・・・・・これが現実。




(つづけ)



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