神保家の侵攻により、滅亡の危機に瀕している椎名家。
彼らを救助すべく立ち上がった、越後の軍神、長尾熊虎とその部下たち。
長尾軍は椎名家の居城である魚津城を目指すため、糸魚川付近にある不動山の麓で休息を取っていた。


一方。


謎の現象に巻き込まれ、
見知らぬ土地に迷い込んでしまった若月達、女性自衛官4名。
彼女たちは自分たちの居場所を確認する為に、谷那から立ち上る煙をめざし、不動山を下って行った。

こうして・・・。
不動山の麓で休息を取っていた長尾軍と、不動山を下って来た若月達は、
運命の出会いを果たしたのであった。




     2





从;・ェ・リ<熊虎様。

从;・ェ・リつ<例の4名。連れてまいりました!!!

川;^∇^)<う、うむ・・・。

物々しい陣中。
不動山の麓に陣取る熊虎の元へ、乱暴に引きづられてくる、若月達4名。
彼女らは荒縄で厳重に縛られていた。

一体、自分たちが何をしたと言うのか?
そもそも、ここが一体どこなのか?
自衛官の4名には何も解らなかったが・・・たった1つだけ解る事。
それは、自分たちが相当、マズイ状況にあると言う事だけだった。

川;^∇^)つ<で・・・お主ら。一体、何者だね?

椅子から立ち上がり、若月達の前に立ちはだかる熊虎。
若月達は思わず声を荒げた。

州;´・ v ・)<いや、ですから!!さっきから、そっちのちっさいオッサン(宇佐美)に何度も言いましたって!!!

州;´・ v ・)<我々は自衛隊です!!!怪しい者ではありません!!!!

川;^∇^)<じえい・・・たい?

熊虎は宇佐美の方を振り向き、「じえいたいって何ぞや?」と問うが、
宇佐美は「わかりませぬ。が・・・完全に怪しい連中な事だけは確かです」と答えた。

从;・ェ・リつ<ご覧くだされ、熊虎様。この怪しい武器を・・・。

川;^∇^)<これは・・・・火縄銃?

川;^∇^)<に・・・しては。奇妙な形をしておる。

从;・ェ・リ<こいつらの奇妙ないでたちと言い・・・危険な連中である事は間違いありませぬ。

川;^∇^)<うむ・・・だが、おなごだぞ?

从;・ェ・リ<隠密かもしれません。我々の動向を探る為、神保家が放った、くのいちでは?

ヒソヒソと声のトーンを落とし話し合う、熊虎と宇佐美。
何を話してるのかは聞こえないが、表情からして、好意的な事を話してないであろうことは解る。
上杉は「ともかく話し合いましょう!!我々は怪しい者ではないのです!!」と叫んだ。

川;´・_・`リ<私たちは自衛隊の合同演習の為、糸魚川に来てて・・・道に迷っただけです!!

川;´・_・`リ<あの・・・ここは何処なんですか?

川;´・_・`リ<あと、あなた達は一体だれなんですか・・・?

川;^∇^)<・・・・・・・・・・。

川;^∇^)oO(宇佐美・・・。こやつら、本当に、迷い込んだだけかもしれぬぞ)

川;^∇^)oO(本当に隠密なら、あんなに堂々と、我々の前に姿は見せぬと思うが・・・)

从;・ェ・リ oO(いや。油断めされぬな!!こやつら芝居を打って、情報を引きだそうとしてるのかもしれませぬ)

川;^∇^)oO(しかし・・・目が、ウソをついてるように思えぬ・・・)

从*・ェ・リ oO(いいえ!熊虎様は、お優しくて、身も心も容姿もお美しいから、そう思うだけです。)

从;・ェ・リ<コイツらは間違いなく、隠密です!!!

从;・ェ・リつ<そもそも。ただ迷い込んだだけの者たちが、こんな火縄銃など、持ち歩くハズが・・・。

Σ 从;´∇`)<!!!!

从;´∇`)<バ、バカ!!!そこを触るな!!!!

宇佐美が、持っていた89式小銃の引き金に手を触れる。
それを観て、拘束された河合が声を荒げた。
だが、宇佐美が何も知らぬまま、小銃の引き金を引いてしまった・・・瞬間であった。



――― バーーーン!!!!



小銃の音が鳴り響く。
放たれた弾丸は陣中を抜け、遥か遠く、不動山にある一本松の枝を吹き飛ばした!!
殆ど無防備な状態で引き金を引いてしまった宇佐美は、小銃の激しい反動で、腰から地面に倒れ込んだ。
小銃のあまりの威力に、熊虎を始め・・・その場に居た長尾軍の兵、全てが言葉を失った。

从l|l・ェ・リ<な・・・・・・・・。

川;^∇^)つ<い、今のは・・・・・。

从;・ェ・リ<あんな遠くの・・・松の枝が・・・吹き飛んだ・・・。

从;´∇`)<バ、バカ!!ちゃんと構えて撃たないと、反動に耐えられるワケないだろ!!!

ル;’ー’リ<ってか、そもそも!!一般人が銃を撃っちゃダメに決まってるでしょ!!!銃刀法違反ですよ!!!!

だが、河合や小宮の言ってる事が、彼らに通じるハズもなく。
宇佐美は小銃の威力に、ただただ、恐怖を覚えるしかなかった。

从l|l・ェ・リ<なんて・・・とんでもない・・・武器・・・。

川;^∇^)つ<う、宇佐美!!大丈夫か!!?

从;・ェ・リ<わ、私は・・・・だ・・・大丈夫ですが・・・・

川;^∇^)<・・・・・・・・・・。

川;^∇^)∩<す、すぐに春日山城に、全軍、撤退だ!!!!

从;・ェ・リ<・・・・・・・え?

川;^∇^)つ<解らぬか?!こんな恐ろしい武器を持ってる連中が、不動山で、待ち構えていた。

川;^∇^)<もしも、こやつらが神保の放った隠密であれば・・・他にも同じ武器を持ってる隠密が・・・この先も潜んでいるやもしれぬ!

从l|l・ェ・リ<・・・・・・・・あ!!!

川;^∇^)つ<これ以上、進むのは危険だ!!!

川;^∇^)∩<春日山城に戻り・・・まずは、こやつらが何者か、調べた方がいい!!!

从;・ェ・リ<た、確かに・・・・おっしゃる通りです。

从;・ェ・リ∩<至急城に戻り・・・・こいつらを拷問にかけてでも、どこの国の隠密か吐かせましょうぞ!!!

州l|l´・ v ・)<ご、拷問!!?

川l|l´・_・`リ<は、吐かせるだって!!!?


こうして・・・。
魚津城を目指していた長尾軍は、急遽、踵を返して撤退した。
若月達4人も荒縄で縛られたまま長尾軍に連れられ、春日山城の牢獄へ閉じ込められたのであった。





  ×   ×   ×





春日山城。
すっかり日も暮れた。
蝋燭の炎がゆらめく毘沙門堂で、熊虎は宇佐美と話し合いをしていた。

从;・ェ・リ<熊虎様。例のヤツらの身ぐるみを剥いでまいりました。

从;・ェ・リつ<これが、奴らが身に着けていた装備です。

川*^∇^)<ご苦労。

川*^∇^)<奴らにいづこの者か、一体かような目的で我々の前に現れたか、尋ねたか?

从;・ェ・リ<は・・・。訪ねはしたのですが・・・。

从;・ェ・リつ<『かながわけん出身』とか、『じえいたいの演習』とか、相変わらず、ワケ解らぬ事しか申しませぬ。

川;^∇^)<そうか。

川;^∇^)つ<仕方ない。ともかく、怪しいとは言え女子供じゃ。手荒く扱ってはならぬ。

从;・ェ・リ<はぁ・・・さっさと水攻めや棒打ちにして吐かせた方が、早いと思いますが・・・。

川;^∇^)<ダメじゃ!!例え敵であろうと、女子供をなるべく傷付けたくはない。

川;^∇^)<もっとも・・・吐かぬのであらば。最終的には、それも、やむを得ぬが・・・。

そう言って、
熊虎は宇佐美から受け取った、若月達の装備品を確認し始めた。
初めて観る迷彩服に、熊虎は興味津々の様子で見入った。

川*^∇^)つ<見よ、宇佐美。変わった装束じゃ!!

从*・ェ・リ<まことですね。このような面妖ないでたち、初めて観まする。

川*^∇^)<生地も変わってるな・・・。綿ではないのか?

从;・ェ・リ<少し手触り違う気がします。色も奇妙ですな。

川;^∇^)つ<暮染めとも違うな。いくつかの色が混ざり合ってる。

川*^∇^)<して・・・この丸っこいのは・・・・?

从;・ェ・リ<あ!それは身ぐるみを剥ぐときに解りました!!

从;・ェ・リつ<ここの穴に通して、布の左右を閉じることが出来ます!!!

川*^∇^)∩<おぉおお!!凄い!!!

初めて観るボタンのシステムにも大感動する熊虎。
戦国時代の人間からすれば、あまりにも斬新すぎる迷彩服に、
熊虎は状況を忘れ、すっかり夢中になるのであった。

川*^∇^)∩<凄いな、宇佐美!!

川*^∇^)つ<我々もこの、丸っこいので閉じる着物、作ってみたいな!!実に便利じゃ!!!

川*^∇^)<南蛮渡来の服じゃろうな。実に面妖で面白いな!!!

从;・ェ・リ<はい・・・熊虎様。ただ・・・お言葉ですが・・・今は、それどころでは・・・。

川;^∇^)つ<あ、そうだ!!あの謎の4人を調べるのが先決じゃな!!

川*^∇^)<他にはどんな・・・。

从*・ェ・リつ<一番背の低い女が、腰に身に着けていた、白い物入れの中に・・・。

从;・ェ・リ<変わったモノがいくつも・・・。

川;^∇^)<ふむ・・・。ベタベタして体にくっつくな。なんじゃこれは?トリモチか?

初めて観る絆創膏。
そのほかに消毒薬、はさみなど、奇妙な品が目白押し。
調べれば調べる程、彼らが何者なのか・・・・・熊虎も宇佐美も解らなくなってくるのであった。

川;^∇^)つ<とりあえず。隠密なのは間違いないな。この、奇妙な道具の数々は・・・。

从;・ェ・リ<神保の放った隠密か・・・もしくは、武田や北条の隠密かもしれませぬ。

从;・ェ・リつ<とりあえず、拷問をかけ、どこの隠密か吐かせましょう。

从;・ェ・リ<その後・・・4人とも処刑致します。

川;^∇^)<ぬぅ。可哀想だが・・・・隠密とならば・・・・致し方・・・・・・ないか・・・・。

ヤツらが敵国の隠密とあらば、生きて返すわけにはいかない。
それは、女子供であろうとも・・・。
熊虎は深くため息をついた。

そして、
確認していた迷彩服を、今一度、興味深そうに眺める熊虎。
彼が迷彩服のポケットに手を突っ込んだ・・・瞬間であった。
迷彩服の内ポケットの中から、ポトリと、何か落ちて来たのであった。

川*^∇^)<うん?

川*^∇^)つ□<・・・・・・・・・・なんだ?これは?

从*・ェ・リ<それは、守札みたいですね?

川*^∇^)<林泉寺と書かれてる。・・・もしや、我が長尾家菩提寺の、あの林泉寺か?

川*^∇^)<何故、この者が・・・林泉寺の守札を?

从*・ェ・リ<毘沙門天の『毘』が記されてますな。

川*^∇^)<だが・・・私が持ってる林泉寺の守札とは、ずいぶん違う。

从*・ェ・リつ<中に何が入ってるのでしょう?

川*^∇^)<ふむ・・・。

朱色の御守りには、白字で『毘』と記されている。
熊虎は不思議に思い、お守りの中を開いた。
そこには版木で作られた御神体と一緒に、小さく折りたたまれた1枚の古ぼけた紙が・・・。

川*^∇^)<この紙はなんじゃ・・・?

从;・ェ・リ<もしや!!隠密が隠し持っていた、密書やもしれませぬぞ!!!

川;^∇^)つ□<密書?

川;^∇^)つ□<よし!確認して観よう!!!

そう言って熊虎は紙を開いた。
だが、そこには、密命などは書かれていなかった。
そこに、書かれていた言葉は、ただ一つであった・・・。



運は天にあり、鎧は胸にあり、手柄は足にあり
何時も敵を我が掌中に入れて合戦すべし
死なんと戦えば生き、生きんと戦えば必ず死するものなり
運は一定にあらず、時の次第と思うは間違いなり
武士なれば、我すすむべき道はこれ他なしと
自らに運を定めるべし




すっかり変色している、ボロボロの紙には・・・。
綺麗に達筆で綴られた、謎の文章。
紙を覗き込んでいた宇佐美は、不思議そうに眉をしかめた。

从;・ェ・リ<これは、一体??・・・この者が考えた言葉であろうか?

从;・ェ・リ<天命を軽んじる不届きな言葉にも思えるが・・・。

从;・ェ・リ<だが、実に魅力がある言葉だ。

文章を読み感心する宇佐美。
だが・・・・。
隣にいる熊虎は違った。
謎の紙に書かれた謎の文章を読み、完全に言葉を失っていた。
宇佐美はそんな熊虎の様子を不審に思い、声をかける。

从;・ェ・リ<く、熊虎様?ど、どうなされた!?

川;^∇^)<宇佐美・・・・・・・・この守札の・・・・持ち主は誰じゃ?

从;・ェ・リ<誰?・・・・と、申されますと?

川;^∇^)つ<あの4人のうち・・・・・誰じゃ?持ち主は?

从;・ェ・リ<あ、はい!!えーーと、確か・・・この装束は・・・。

从;・ェ・リつ<背の低いおなごの物ですな。名前は忘れましたが。

从;・ェ・リ<えーーー確か・・・髪が若干、浮いてるおなごですね。

川;^∇^)<そうか。あの者か・・・。

川;^∇^)つ<しからば。その者を、今すぐ、毘沙門堂へ呼んでくれ。

从;・ェ・リ<え?

从;・ェ・リつ<呼ぶって・・・その者・・・だけですか?

川;^∇^)<その者だけでよい。その者と、私は2人きりで話がしたいのじゃ。

川;^∇^)つ<その者を連れてきたら、宇佐美も申し訳ないが・・・席を外してくれないか?

从;・ェ・リ<そんな!!いづこの隠密か解らぬ者と、2人きりは危険です!!!

川;^∇^)つ<危険だと申すなら、縄で縛ったままなら、問題あるまい。

从;・ェ・リ<それは、そうですが・・・・。

从;・ェ・リ<・・・・・・・。

从;・ェ・リ∩<わ、解りました。お連れ致します。

熊虎の意志は解らないが、命令は命令。
宇佐美は急ぎ、毘沙門堂を離れ、上杉を連れ出しに牢獄へと向かったのであった。
そして、宇佐美が去った後・・・・。


川;^∇^)<・・・・・・。

川;^∇^)<運は天にあり、鎧は胸にあり、手柄は足にあり・・・。


熊虎は呟いた。
彼は例の紙に書かれていた文章を、紙に目を向ける事なく、淀みなく全て暗唱した。


川;^∇^)<自らに運を定めるべし・・・。


薄暗い毘沙門堂は、
蝋燭の火だけが、静かに揺らめいていた・・・。





  ×   ×   ×





一方、その頃。
春日山城の地下にある牢獄では。
まるで節分の日のセブンイレブンの恵方巻きの様に
布団でグルグルの簀巻き状態にされた、マヌケな姿の若月達4人の姿が並んでいた・・・。

州;´・ v ・)<・・・・・・・・・。

州;´・ v ・)<いきなり身ぐるみ剥がされ、布団で簀巻きにされるとは。なんたる恥辱プレイ・・・。

从;´∇`)<まぁ、素っ裸のまま、放置されるよりは、簀巻きの方がマシですけどね。

川;´・_・`リ<でも、しょーじき。素っ裸にされた時は、オワタと思ったよね。

从;´∇`)<ね。アレコレされると思った。しょーじき。

ル;’ー’リ<服をひん剥かれて、簀巻きにされるとか・・・マジ・・・初めてを経験中。

そう・・・今まで、全年齢性のぬるま湯のようなAAコント劇に甘んじてた4人。
なのに、ここに来て急に、怪しい集団に拉致られ、牢獄に入れられ、身ぐるみ引っぺがされると言う、
まるでポルノ漫画の様な展開に、この世の終わりの様な気分であったのだった。

州;´・ v ・)<でも・・・・まだ、安心は出来ないけどね。

州l|l´・ v ・)<これから・・・・あの謎の集団に、あんなこんなそんな事、されるかもしれないし。

川l|l´・_・`リ<マジですか・・・?

从l|l´∇`)<ヤダ、絶対ヤダ!!だったら、殺された方がマシなんですけど・・・。

自衛隊に入隊した時から、もしもの時の為に、いつでも死の覚悟はしていたけれども・・・。
さすがに、こんなポルノの様な展開の覚悟はしたことはなかった・・・。
あぁ・・・うら若き乙女たちが、こんな地下牢で、醜いチョンマゲどもに、あんなことこんなこと!!
どんどん悪い方向に流れて行ってしまう頭の中で・・・。
若月達は、絶望に打ちひしがれるのであった。




ただ一人をのぞいて・・・。




ル*’ー’リ<・・・・・・・・・。

州;´・ v ・)<ん?

州;´・ v ・)<どーした、小宮。なんか、顔赤いけど。

Σル;’ー’リ<え?!

ル;’ー’リ<あ、いや、別に!!!そんな事、ないですけど!!!

从;´∇`)<オマエ。ニマニマしてたぞ。まさか、アイツラに、アレコレされたいの?

川l|l´・_・`リ<そーゆー特殊性癖ですか?

ル;’ー’リ<違うって!!!アレコレされたいワケないでしょ!!

ル;’ー’リ<されたいワケじゃないけど・・・ただ・・・さ。

州;´・ v ・)<なに?

ル;’ー’リ<・・・・・・・・。

ル;’ー’リ<あの、眉目秀麗な、長身イケメンが相手だったら・・・ちょ、ちょっとアリかなぁ〜〜〜って。

州;´・ v ・)<長身イケメン?

从;´∇`)<あの、リーダーっぽい男?

周りにいた、いかついちょんまげの兵士どもや、
隣に居た、ちっこい小生意気そうなオッサンに比べ・・・。
赤い着物と甲冑を身に纏った、長髪の眉目秀麗のイケメン男子。
他の連中にアレコレされるのは絶対イヤだけど・・・彼だったら、ちょっと、アリかなぁ〜〜〜〜〜と、小宮は密かに思っていたのであった。

だが、そんな小宮の言葉を聞き、
嫌悪感をむき出しにする、上杉。

川;´・_・`リ<はぁ?何言ってんの?気持ち悪いな!!

川;´・_・`リ<イケメンだろうとなんだろうと、イヤなもんはイヤだよ!!

川;´・_・`リ<なぁ、河合に、曹長!!!!!

そう言って上杉は、
当たり前の様に、他の2人に同意を求めたのであった。
だが・・・・。



州*´・ v ・)<・・・・・・・・・・。

从*´∇`)<・・・・・・・・・・・。




Σ 川;´・_・`リ<・・・って!!!オマエらも、満更じゃないのかよ!!!!



イケメンに弱い小宮は兎も角・・・。
バディの河合や曹長まで、何考えてるんだ?!
上杉はプンスカと声を荒げるが・・・。

州;´・ v ・)<あ、いや。だ、だって。あんだけイケメンなら、良くね?

ル*’ー’リ=3<あのイケメンと2人きりでさ、「今夜の私の夜伽の相手は、お前だ」とか言って、抱きしめられたらねぇ!!

州*´・ v ・)=3<な!!全然アリだよな!!!

川;´・_・`リ<ナシでしょ!!冷静になって下さいよ!!!曹長!!

川;´・_・`リ<つか、河合まで!!!どーなってんだよ!!!

从;´∇`)<スマン、上杉!!しょーじき、彼、結構、好みなんだよね。スマン!!

川;´・_・`リ<好みとか、そーゆー問題じゃ・・・。

ル;’ー’リ<ってか。上杉はぶっちゃけさ、浅間三曹と付き合ってたから、余裕ぶっこけるんだよ!!

川;´・_・`リ<はぁ?そんなのカンケーねーし!!!

从;´∇`)<いや。カンケーあるね!!お前には女の余裕を感じる!!!

从;´∇`)<ヅラ杉のくせに、生意気だ!!

川;´・_・`リ<誰がヅラ杉だ!!誰が!!!

州;´・ v ・)<あ、ちょっと待って!!ケンカは良くないよ!!!もちつけ、みんな!!!

こうして。
簀巻き状態のまま、醜い争いを始め出す女性自衛官。
曹長の若月はとりあえず3人を止めようとするが、いかんせん、簀巻き状態なので、止めるに止められない。
そんな感じで、春日山城の地下牢で、3人が喧々囂々と言い争っていると・・・。

ガチャ・・・。

牢屋の鍵が開く音が俄かにしたのであった。
そして――4人が音のした方に顔を向けると・・・・。

从;・ェ・リ<なんだ、なんだ?うるさいぞ、貴様ら!!!

州;´・ v ・)<あ!!ちっさいオッサン!!!

从;´∇`)<テメぇ!!いつまで、ここに閉じ込めておくんだ!!さっさと解放しろ!!!

ル;’ー’リ<そうだ!!オッサン!!!

地下牢にやってきたのは、軍師の宇佐美と3名の兵士。
血気立ってる4人は、一斉に宇佐美にギャンギャンと噛みつくが、
宇佐美は「ったく・・・うるさいおなごどもじゃ。」とため息を付くだけで、聴く耳持たない様子であった。
そして、宇佐美は耳をふさぎながら、簀巻きになってる、4人の顔を1人1人覗き込んで行くと・・・・。

从;・ェ・リ<うむ。髪が浮いてる。確か、この者だな・・・・。

川;´・_・`リ<え?

ふと、上杉の前で足を止める宇佐美。
上杉が不思議そうに目を丸くすると、
パサッと音がし、
上杉の眼前には、迷彩服が投げ置かれたのであった・・・。

从;・ェ・リつ<おい。この服は貴様のであろう?

川;´・_・`リ<へ?

川;´・_・`リ<えーーと・・・。た、多分、そうですね。私のっぽいです。

簀巻きになってるので良くは観えないが、
破れた部分に当て布をしてある場所を観る限り、多分、自分のであろう。
上杉がコクリと頷くと、「そうか・・・」と、宇佐美はつぶやいた。
そして、宇佐美が兵士たちに目くばせをすると、兵士たちは布団ごとグルグル巻にして縛ってある、上杉の縄をほどいたのであった。

川;´・_・`リ<・・・・・え?

从;´∇`) ル;’ー’リ 州;´・ v ・)<????

何故か1人だけ拘束をほどかれる上杉。
他の3人は、一体、何が起きてるのかさっぱり理解出来ないのであった。
それは勿論、上杉も一緒で・・・。
何故、解かれたのか?不思議そうに上杉が宇佐美の顔を見上げると
「とりあえず、そいつを着るがいい」と言って、宇佐美は置かれた迷彩服に指をさした。

川;´・_・`リ<・・・え?

川*´・_・`リ<あっ・・・・・は、はい!!

簀巻きが解かれ、
自分が今、下着姿状態なのを思い出し、慌てて迷彩服に着替える上杉。
そして、着替え終わった上杉に、宇佐美はこういったのであった。

从 ・ェ・リ<着替え終わったのであれば、ともに来るがよい。

川;´・_・`リ<え?ど、何処にですか?

从 ・ェ・リ<毘沙門堂だ。

从 ・ェ・リつ<我が殿が、毘沙門堂で貴様と2人だけで、話しがしたいそうじゃ。





Σ从;´∇`) Σル;’ー’リ Σ州;´・ v ・) ヅガーン!!





ルl|l’ー’リ<あ、あのイケメンが・・・。

从l|l´∇`)<う、上杉と・・・・。

州l|l´・ v ・)<密室で2人きり・・・。


つい先ほど。
「もしも、あのイケメンが夜伽のお相手だったら、どーしよう!キャッキャ!」と、
どーしょーもない妄想トークをしていた3人であったが。
まさか、その夜伽のご指名が、よりによって、余裕ぶっこき女(3人の被害妄想)の上杉だとは・・・。
元の場所へ戻れば、浅間三曹と言う相手がありながら、あのイケメンまで手を出すとはぁああ・・・。

ル;’ー’リ<テメーーー。上杉ぃ!!!!!

州#´・ v ・)<むしろ、餓えすぎ、テメェエエ!!!!

川;´・_・`リ<う、『餓えすぎ』ってなんだよ!!人を『餓えてる人』みたいに!!!

从#´∇`)<くそ!!本気かよ、オッサン!!!

从;´∇`)<良く観てください!!!コイツ、ヅラ浮いてますよ!!

从;・ェ・リ<あ・・・え・・・えっと・・・あ・・・はい・・・(凄く困ってる)。

ル;’ー’リ<ホントに、我が殿のお相手、このオンナでいいんですかぁ?!オッサン!!

ル;’ー’リ<ヅラが伝染りますよ!!ヅラが!!!

川;´・_・`リつ<ヅラは伝染るモノじゃありません!!!落ち着け、みんな!!!

州;´・ v ・)<あぁ、落ち着いてるさ!!落ち着いてるともさ!!!

州#´・ v ・)<オマエなんて、若月駐屯地、除隊じゃぁあああ!!!

川;´・_・`リ<ウソでしょ!!?私が一体、何をした?!

川;´・_・`リつ<みんな。おちつけーーーーーーー!!!!!

从;・ェ・リ<・・・・・・ってゆっか。すいません。頼むから、さっさと我が殿の元へ、来てくれませんかね?あんたも。

こうして。
女の醜い嫉妬の罵声を背中に浴びまくりながら、
縄を後ろ手に縛られ、宇佐美達に連れられ、毘沙門堂へと向かう上杉。

こうして・・・長尾と上杉の、
運命の出会いが始まるのであった。




・・・つづけ





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